干した小魚

こうした「全体食」を勧めるのは、食べ物を一つの命として見た場合、それがもっともバランスのとれた状態にあるからです。たとえば、果物は皮をむくとすぐに酸化が始まり、変色してしまいます。皮をむいたリンゴが茶色くなるのも表面が酸化するからです。しかし、皮がついている状態であれば、いくら空気に触れていてもリンゴはほとんど酸化しません。これは果物の皮の部分にたくさんの抗酸化物質が含まれているからです。野菜の場合も、ナスやニンジン、ジヤガイモなど皮のある野菜は、やはり皮の部分に多くの抗酸化物質が集中しています。ですから、果物や野菜は本来、できるかぎり皮をむかないで食べたほうが体にはよいのです。全体食が望ましいのは、動物食においても同じです。たとえば魚の干物は、天日にさらし乾燥させているため、「酸化した食品」といえます。酸化した食品は、体内でフリーラジカルを発生させるので、千物は基本的にはよい食品とはいえません。しかし、これが小魚で、内臓も骨もすべて食べることができる場合には、必ずしも悪い食品にはならないのです。

 

干した小魚は、よくかむことによって骨に含まれるカルシウムやマグネシウム、カリウムといった物質がいっしょに摂れるので、酸化物質を消化の過程で中和させることができるからです。また、よくかみ、唾と混ぜることによって食物に発生した酸化を中和してくれます。このように食べ物は、「全体で摂る」ことによつてバランスがとれるようになつているのです。

 

 

エビやカニも小さなものであれば、甲羅ごとすべて食べることができます。貝はかたい殻まで食べることはできませんが、「キモ」と呼ばれる内臓の部分には、海のミネラルが豊富に詰まっているので残さず食べるようにしましょう。さすがに牛のような大きな動物は全体食はできませんが、沖縄の伝統食などを見ていと、豚の頭から足の先まで、骨はスープにして、というように残すことなく食べています。これはすべてをいっしょに摂っているわけではありませんが、「全体食」といえるでしょう。沖縄の人が豚肉をたくさん食べているのに健康でいられるのは、もしかしたら、こうした全体食に近い食べ方をしているのがよいのかもしれません。


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