安全だと思って認可

もちろん私の考え方に反発する人もいるでしょう。添加物は厚生労働省がきちんと安全性を確かめ、認可したものだからです。でも、認可するにあたりどのような検査がなされているかご存じでしょうか?現在行われている検査は動物実験です。人道上「人体実験」が行えないのは仕方のないことですが、人間とは大きさも構造も違う動物に対し、対象の添加物を単品で与え、反応を見るという現在のやり方には疑間が残ります。その一つは、検査期間が短すぎることです。規定の安全性試験では、添加物を繰り返し動物に与え、生じる毒性を検査するのですが、その期間は二十八日、九十日、長くても一年間の三種類のデータしかとられていません。何年も何十年も摂取しつづけた場合のことはわかっていないのです。もう一つの懸念は、すべての検査が単品で行われているということです。アメリカでは、医師は同時に四種類以上の薬を処方しないことにしています。

 

なぜなら、薬品の複合使用は思いもよらぬ毒性を発揮することがあるからです。添加物にも当然、同様の危険が考えられます。添加物が使われる場合、実際には単品で使われることはありません。必ず何らかの添加物といっしょに使われています。なかには何十種類もの添加物が使われている製品もあるのです。また、複合使用の危険性は添加物同士の問題にとどまりません。農薬や化学肥料をたっぷり使って栽培された野菜に添加物が使われた場合、人工飼料で育った動物の肉に添加物が使われた場合なども危険が考えられます。また、厚生労働省は認可した添加物の安全性を強くアピールしていますが、その反面、使用量を厳しく制限しているものも少なくありません。使用量を規制するのは、摂取量が多いと危険だからです。

 

それに、一度認可されたもののなかから、毎年のように使用が禁止されているものがあるという事実も見過ごすことはできません。これは、安全だと思って認可したけれど、後からじつは安全ではないことがわかったので使用許可が取り消されたということです。厚生労働省が認可したからといって、安全を一〇〇%信じることはできないのです。事実、海外では有毒性が認められ使用が禁止されているのに、日本ではまだ認可が取り消されていないからという理由で使われている添加物もあるのです。とはいえ、これも農薬や化学肥料と同じですぐになくすことはかんたんではありません。現状では、 一人ひとりが個人の責任において、自らが食べるものを選ぶしかないのです。『食品の裏側』の著者は、著書のサブタイトルに「みんな大好きな食品添加物」と謳い、一般の消費者が、添加物入りの安価で見た目がよく、腐りにくい食品を求めている現状を皮肉っていましたが、私もそう思います。多くの人が添加物入りの食品を嫌えば、企業も添加物を使わなくなるはずです。消費者であるわれわれが添加物を選ばないことが、添加物入りの食品をなくしていく唯一の方法なのです。


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